2014/05/11

Reincarnation


20140507 wed 「来世でも必ず君を愛す」

神崎川沿いの道を西へ車で走る 窓を開ければ心地良い季節
夕焼けがとても美しかった  飛行機雲が天に向けて一直線
乾いた西風が頬を撫でる 黄金色の西陽が目に沁みる

大阪府から兵庫県に入れば六甲山脈の南斜面が見渡せる
山手幹線道路からシルエットの稜線を眺めるいつもの風景
僕とkumiちょとカロで向かう動物病院へのいつものルート

一つだけ違うのはカロが治療に行くのではないということ
今日のカロはキャリーではなくダンボール箱に入っているんだ
車内の二人は言葉少なだ 何か喋ろうとするとすぐに涙が溢れてくる

ハンドルを握りながらとめどなく溢れる涙に視界がにじむ
皐月の西風も僕の頬をつたう涙を乾かしてはくれない
嗚咽がこみ上げる 心が空っぽになりそうで怖くて寂しいんだ



GWの最終日である5月6日 大阪は天候も回復し爽やかな青空が広がった
カロは朝食のカリカリや湯がいた鶏のささ身も食べてくれ生命力を感じた
よろよろとだが歩行も可能だった が 夕刻には体調が激変していった

ホットカーペットから立ち上がるのが困難になってきた
立ち上がろうとしてもその場にくずれてしまう
まるで右から左へ寝返りをうっているだけのように見える
前足にまるで力が入らないのだろう
体重の落ち具合から筋肉もほとんど無いようなものだろう

夕食のヒルズad缶やスープにも口をつけようとしない
kumiちょが水を口元までもっていくが舐めようともしない
一番上の写真がその時の光景だ
重篤な症状は危機的な状況に近づいているのだろう

僕は「今夜が山かもしれないね」と 口をついて出てしまった
kumiちょは「そうかもね」と  涙をぽろぽろ流している
カロを間にはさんでリッジレストを床に敷いた
親子三人で川の字に寝るような感覚だった

フローリングにリッジレスト ナンガを羽織って横になった
深夜から朝方にかけて まんじりともせずカロを見つめる
カロは時折 顔を上げ動こうとする
起き上がろうとするのか 前足を小さくゆっくりと動かす
だがその細い前足はただ空を切るだけだった


もう「ニャァン」と喋ってくれることもなくなった
でも何度も何度も起き上がろうとする 動けないカロ
見ていて涙が止まらなかった

「もう ええんよ」
「もう 頑張らんでええねんで」
「ありがとうね」

目をまっ赤にしながらが何度も何度も ささやくkumiちょ
カロの痩せ細ってゴツゴツした身体を 何度も何度もなでた
カロの身体は冷たかった 低体温が進んでいるのだろう

深く重く長い夜が明けていった 外の木々は朝の陽光で輝き始めた
カロの胸の鼓動は小さいが規則正しく繰り返していた
GW明けの水曜日 二人共どうしても仕事は休めない

出勤後 僕はランチタイムにダッシュで帰宅した
寝たきりのカロの視線はゆっくりと僕を追ってくれた
「カロ♪」と呼んでみる ゆっくりと少しだけ顔を上げてくれた
ありがとう カロ

後ろ髪を引かれながらオフィスに戻る

夕刻ダッシュで帰宅する
仕事中に虫の知らせなどなかった
ただとても嫌な気分で自宅の鍵穴にキーを差し込んだ
ドアノブを回す行為をためらうような気分だった


廊下をぬけてリビングのドアを開けた瞬間に分かった
窓際のカーペットに横たわるカロの胸は動いてはいなかった
すでに冷たく固くなっていた

最後は病院ではなくお家でと考えていた
でも最後の最後に側に居てやれなかった

空虚と言えばそれまでだが 言葉では表現し辛い感覚が襲ってくる
一人座り込み 涙が流れ 鼻水が垂れ 両手の拳を握りしめていた
カロにいろいろ話しかけていた もちろん返事は返って来ない

ありがとう ありがとう ありがとう

kumiちょが帰宅後 カロをつれて動物病院へ向かった
車の窓から見る夕焼けや飛行機雲が悲しいくらい美しかった

シャワーとドライヤーできれいにしてもらったカロ
自慢のダブルコートも久しぶりにフカフカになった

通常診察の時間はとっくに終わっている 待合室にも誰もいない
診察室の真中で棺桶に入れてもらったカロ
大好きだったカリカリが小さな袋に詰められていた

カロの周りには獣医師達やスタッフ全員が集合していた
皆が丁寧にお辞儀をしてくださった 泣けてきた
kumiちょと二人 臆面も無く 泣けてきた


結局 最後まで原因も病名も解らずじまいだった
そのことには後悔していないし 恨みも無い
セカンドオピニオンは考えたがセレクトはしなかった
僕はこの動物病院の獣医師を信じて託したわけだから

カロは2002年11月11日に京都で誕生した
僕のもとへ来てくれた日が2003年3月7日だった
そしてカロが天に召された日が2014年5月7日
11歳4ヶ月26日目のことだった
僕と一緒に過ごしてくれた年月は11年1ヶ月24日間

少し早すぎたよ 悲しくて 寂しくて どうすりゃいいんだよ
久しぶりに  ”日にち薬”  しか効果のない症状になっちまった

山仲間達にも沢山遊んでもらったカロ
幸せだった時間は素敵な思い出となった
沢山沢山癒してくれたカロには感謝しかない

天国に行ったら妹のメープルにも合えるね
もう痛いこともしんどいこともないからね

来生でもきっと君に巡り会えると思うんだ
そしてまた 必ず君を愛する 忘れないよ

ありがとう ありがとう ありがとう

16 件のコメント:

  1. カロが広野邸にやってきた時を思い出します。
    メチャメチャ可愛くて、お利口さんで、たまにマタタビショーで笑わしてくれて。
    僕にもよく懐いてくれました。
    良きパートナーを持つって幸せだな、癒しを与えてくれるんだなと、それから僕もクゥを飼うことにしました。
    うちのクゥはやんちゃでお利口さんではなかったですが。。。

    主人が山行で不在中、ご飯をあげに行くと寂しそうに待ってました。ヒーリングしてあげようと手かざしすると、「シャー!!」と威嚇されました。初めての声だったのか、喉を詰まらせゴホゴホと。
    あれから僕は危険人物だと思われてしまったようです。。。(>_<)。。。

    広野さんのいい時も悪い時もカロはいつも傍で見守ってくれていましたね。
    しっかりとお役目を果たされたのだと思います。
    カロのご冥福をお祈りします。

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  2. カロたん、50年後会おうぞ。
    今はやすらかに、やすらかに。
    かっちゃん、呑みなはれ。

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  3. そっか…、とても残念なことだけど、
    かっちゃん&kumiちょにたくさん愛されて、
    カロはとても幸せな猫生だったと思います。
    なんにもできないけど、
    カロのご冥福とともに、
    ふたりが元気になってくれることを祈ってます。

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  4. 3月26日の記事のトップ画像
    あの表情、あの瞳が可愛くて可愛くて・・・
    全てをkatsuさんに委ねて甘えてるような表情が忘れなくて
    スマホにDLして、ときおり見てました
    頑張りや、て言いながら見てました
    でも、もう頑張らんでええよ
    よぅ頑張ったもん、もう頑張らんでええよ
    カロもkatsuさんご夫妻も

    安らかに眠らんことを

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  5. ゆうこりん2014/05/13 5:17:00

     カロたん、katsuさんと暮らせて幸せだったよ。


    山のてっぺんで空を見上げたら、カロたんがそこに来ていそう・・・


    そうすると、もう会えない人に近付けるような気がします。


    いつの日か きっとどこかで。

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  6. 雲消しKENちゃん

    ありがとうございます。
    カロが来てからの数年間は僕もKENちゃんもハチャメチャやったもんなぁ(笑
    ホント 人には言えない様な思い出が山盛あるね(汗

    クゥもほんとはKENちゃんと暮らせればいいのねぇ
    ちょびっと残念だよ・・・

    ちなみにあの当時のKENちゃんのヒーリングは酷かった!
    パワーをコントロール出来ず変なもんが出てたんやろなー(笑

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  7. daiちゃん

    ありがとうございます。
    いやほんまに また合える予定ですから(笑

    >かっちゃん、呑みなはれ。
    おおきに おおきに 毎夜 毎夜 たっぷりやわ(笑

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  8. kkちゃん

    ありがとうございます。
    kkにも何回か遊んでもらったもんねぇ・・・

    >カロはとても幸せな猫生だったと思います。
    そういってもらえると救われます。

    二人とも少しずつ元気に前を向くようにしてますよ(笑

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  9. スロトレさん

    ありがとうございます。
    カロの子猫時代の写真ダウンロードしてくれはったんですね♪
    とても嬉しいです。

    >頑張りや、て言いながら見てました
    心より感謝します。
    カロも十分頑張ってくれたと思います。

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  10. ゆうこりん

    ありがとうございます。

    >山のてっぺんで空を見上げたら、カロたんがそこに来ていそう・・・
    次回、入山した時には大空を見上げてみたいと思います。
    なんだか癒されそうな感覚ですね♪

    >いつの日か きっとどこかで。
    必ず再会出来ると思っています。

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  11. カロたん、2月に会ったときはワイは猫又になるんやー
    って言っているみたいに元気でしたが・・・ とても残念です
    ただ、一度しか会っていないけどkatsuさん夫妻の愛情に包まれて
    とても幸せな日々を過ごせたのだろうなぁ

    カロたん、今はゆっくりと休んで、またいつの日かどこかで会いましょう!

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  12. 最期までカロを大切にしてくださってありがとうございました。
    やんちゃで甘えん坊で体格の良い子猫でした。逝ってしまったと聞き、心が痛みます。

    カロは幸せだったでしょう。
    きっとkatsuさんにも幸せをもたらしてくれたと思ってます。良いご縁でした。
    でも、でも…もっと長生きして、一緒に居たかったよね…。

    今頃は虹の橋で待ってくれているのでしょう。
    それとも、待ちきれずにまた生まれ変わって会いに来てくれるかもしれませんね。
    その時を楽しみに…

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  13. takaさん

    ありがとうございます。
    2月にtakaさんが来てくれはった時はまだ元気でしたからねぇ
    でもtakaさんに遊んでもらったのも今は良い想い出になりました。

    カロはまたいつの日か再会できると信じてます。
    その時はまた遊んでやってくださいね。

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  14. カロたん、いっぱい頑張ったね。
    最後まで必死で生き抜いたカロたん。かっこよかったよ。。

    またいつか、必ずどこかでカロたんと会えるような気がします。

    ひろのさん、くみちゃん、お二人のこと、いつも思っています。
    今はゆっくりと心と体を休めてくださいね。

    これからはカロたんも一緒にお山行けますね。

    カロたん、幸せやったね。
    カロたん、また、会おうね(*^_^*)

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  15. Lunaさん

    ありがとうございます。
    最後まで色々と相談にのってもらった事を感謝しています。
    心のこもった説明と経験値はとても助かりました。

    最初に京都へ見学に行った日の事や
    我家に連れて来て下さった日の事
    神戸のキャットショーにで出てリボンをもらった日の事
    プロカメラマンに撮影してもらったりと・・・
    まるで走馬灯のように思い出されます。

    Lunaさんには素敵な素敵なご縁をいただきました。
    心より深く深く感謝します。

    カロも僕もせっかちな性分なので
    近い将来の再会を期待して暮らしてゆきます。

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  16. AYAちゃん

    ありがとうございます。
    AYAちゃんもカロと遊んでくれたもんね。

    >カロたん、いっぱい頑張ったね。
    そう言ってもらえると救われます。

    >これからはカロたんも一緒にお山行けますね。
    ほんまやね! 大峰でも北アルプスでもどこでも一緒やね♪

    また将来、カロとは会える気がしてます。
    その時はAYAちゃんもまた遊んでやってね♪

    >ひろのさん、くみちゃん、お二人のこと、いつも思っています。
    AYAちゃんはほんま優しいなぁ めちゃ嬉しいです。
    ほんまありがとね!

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